漆器 について
///// 素材が良ければ長く使用でき、扱いも簡単である /////
 ‘漆器’ というのは、読んで字の如く、‘漆を塗った器’のことであり、 日本では天然木の器が多く使われていたので、 木の器に漆を塗り使用するところから ‘漆器’ が 発達してきました。
 今では ‘漆器’ のことを国際共通語で ‘ジャパン’ と呼んでいます。

値段について 使い方の新しい提案 素材による違い 近年の社会問題 取扱い


・漆器の値段について

 ‘漆器’ というのは素地と塗装の組み合わせで、 その ‘漆器’ の価値が出来上がります。 近年は機械化も進んできたので、手造りなのか、オートメーションなのかということも価値判断の 要因に加わってきました。

[ 素 材 ] [ 値段 ] [ 塗 装 ] [ 値段 ] [ 工 程 ] [ 値段 ]
・天然木



・本漆
(漆の木から採った物)




・全て手作業



・木質
(木粉と樹脂の成型品)
・合成漆
(漆成分だけを科学的に調合)
・一部機械化
・フェノール樹脂 ・カシュー ・オートメーション
・ナイロン樹脂 ・ウレタン
フェノール
エポキシ

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今の ‘漆器’ は、素材が 天然木 で、塗装が下地塗装、仕上げ塗装両方とも 本漆塗り で、 全て手作業 の物が 最高級とされています。天然木の素材や本漆は材料の値段も高く、全て手作業となると手間もかかる ので製品の値段も高くなります。


・漆器の使い方の新しい提案  

漆器は扱いにくいもの、中に入れるものも限定されると思われるかもしれませんが、何に使わなければ ならないとかの決まりは全然ありません。
品物を店頭に並べる時には、店側はどうしても品名を付けなければなりませんが、 使う人が使いたいように好きに使ってもいいのです。我が家では、 洗朱塗小皿 で果物やサラダ、アイスクリームを盛って食卓に並べています。

イチゴ リンゴ
イチゴとフォーク リンゴとフォーク
アイスクリーム サラダ
アイスクリームとスプーン サラダと箸



・漆器の素材による違い

[温度] [湿度]の変化によって木は伸び縮みをするし、漆も一緒に伸び縮みをする。
ところが素材か塗装どちらかに合成のモノが入ると、片方が伸び縮みをしようとするのにもう片方が 全く動かない。すると無理がかかって剥げてしまうようなことになります。
 ‘漆器’ が扱いにくいということは、このような製品の ことであって、[天然木] [本漆]の組み合わせならば、 いつまでも長く使えるし、少々雑に使っても丈夫な物であります。
ただ、天然木・本漆の組み合わせでも漆器の箸は、木よりも堅い歯にぶつかってしまうので、 漆は剥げなくとも先の木がすり減ってしまう傾向があります。当店では堅木を使用し、 すり減りを少なくしようとしています。

‘漆器’ をお求めの際には、必ず 品質表示 を御覧になってからお求めください!


・近年の社会問題

最近では、人工化学物質による環境ホルモンの問題が取りざたされています。まだ正確なところは 研究中ということですが、天然素材である天然木や本漆を使用してつくった 漆器ならばそういう問題もないですし、地球にもやさしい物です。
森林破壊ということが現代の問題になっていますが、木から木地をつくる漆器が森林を使用する 割合は極々わずかです。森林は空気中の二酸化炭素を吸収し、一時的に貯めている緑のタンク なのですが、木はいずれ枯れてしまいます。 木地に漆を塗ったものは長く存在できるので、木に蓄えられた二酸化炭素が空気中に出ることは ありません。木が形を変えて世の中に存在する、それが漆器なのです。


・漆器の取扱い

 漆器を取扱う時、 ‘漆器’ に悪いのは、直射日光、 水につけっぱなしにしておくこと、火、極端な温度・湿度変化です。直射日光が悪いのは地球上の 万物に悪影響を及ぼす紫外線によって漆の変色がおきることがあるからであり、それで当店の ガラス戸にはUVカットが施されているのです。
水につけっぱなしにしておくこと、火、極端な温度・湿度変化は素材の木を著しく変形させてしまう のです。

 食器洗い機で漆器は使えるかというご質問をいただきましたが、普通の漆器を扱う時、手が やけどしない程度の温度のお湯ならいいのですが 食器洗い機は70度もの温度になりますからやけどしてしまうので、食器洗い機は残念ながら 使えないと思います。しかし、最近他産地で耐熱合成樹脂を使った漆器が発売され、電子レンジや 食器洗い機にも対応できるようになりました。当店にお問い合わせ下さい。

 我が家では、汁椀も湯呑みもすべて天然木・本漆のものを使用しています。天然木のものは軽くて、 木は熱の伝導率が低いので手に熱くなく、冷めにくい。しかも口当たりもやわらかくとてもおいしくいただけます。

水で洗ってもかまいませんが、洗った後は必ず水気をふきとっておいて下さい。 特に天然木でなく、本漆を使用していないものは、取扱が面倒です。
村上木彫堆朱の場合、 艶を消す工程があるので、木綿のような布でふいていれば 使い込むほどに艶が上がってくるのですが、他産地の漆器は出来立てが一番艶があり、 だんだん艶が落ちてくる傾向があります。 村上木彫堆朱は彫りの部分のほこりを古いハブラシに水をつけて洗っても堅い漆を使うので、 傷もつきません。

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