第5章 悪夢・・・最後の惨劇

個人に割り当てられた館の部屋。
そこは4畳半ほどの広さでベッド、衣装タンスがある小奇麗な部屋だった。
ぼくはクリア・・いやクリスタルむすめのために念仏をとなえたのち、
部屋に鍵をかけ、ベッドに横たわった・・

真理は向かいの部屋にいて、用心のため鍵をかけるのを忘れないように・・
と伝えに行ったら、またなぐられてしまった。
夜這いに来たと勘違いしたのであろう・・・トホホ・・。

香山さんと美樹本さんはまだ食堂で飲んでるらしい。

「キヨさんの話だと明日には警察も来るらしいから
なにもかも解決するだろう・・・それにしてもこの館の主は結局来なかったか・・
もしかしたら犯人は・・・」

1日の疲れか、すぐ睡魔に襲われる・・・
そして ぼくはこんな夢を見た・・・



鎌状の手を持つ不気味な獣が、空中でびゅんびゅんと
竜巻のごとく回転しながら世羅月館の周りを飛び回っている。

その獣と目があった瞬間、そいつはぼくの方めがけて
風を切りながら 襲いかかってきた!!

「妖怪食玩フィギュア・・・買ってねぇぇぇぇ〜〜!!」

「ひぃぃぃぃ〜〜っ!! 怖いから遠慮しますぅぅぅ〜っ!!」
ぼくはその獣の鎌で切り刻まれそうに・・・

「びっくりしたでしょ!! お子様の安全のため、この鎌は

ふにゃふにゃソフト素材でできております」

ぼくは安全玩具基準制度に感謝した・・。 

そのとき・・・

きゃあああああっっっ!!!!!!

耳をつんざく女の悲鳴が聞こえた!!
真理の声だ!!



食堂・・・
そこにはのどと頭から血を流して倒れている香山さんと美樹本さんがいた。
「うわわぁっ!! 今度は犠牲者が二人もっ・・・!!
一体誰がこんな残酷なことを!?」

「のどが渇いて食堂に来てみたら・・・ふたりが倒れていたのよ!!
そして見たの!! 館の表門の方へ逃げる犯人の後姿を!!
遠くてよくわからなかったけど・・なんか見覚えがあるような・・・」
真理は震えながら、表門へ通じる廊下の方を指さした。

そこにキヨさんが、血相を変えて現れた。
「たった今、あやしい人影が裏門を出て、裏山の方へ!!」

『なんだって!? ふたりの証言が食い違うじゃないか!!
どちらかがウソをついているのかぁ!?
まさか真理かキヨさんのどちらかが犯人!?』

ぼくは・・・

A: キヨさんの言うことを信じ・・・・・ようとしたが、

さっきから真理がぼくを睨みつけているので、結局・・・
B: 真理を信じることにして、表門へ向かった。

「はやくっ!! 犯人を捕まえるのよっ!!
こんな時こそ銭形のとっつあんになりきって犯人をしつこく
追いかけまくるのよっ!!」

銭形のとっつぁんだと犯人(ルパン)を捕まえるのは無理かと思うが・・・
とりあえず「まて!! ルパ〜〜〜ン!!!!」・・と
声優、納谷悟朗さんのつぶれた声マネで追いかけることにした。

どちらかというと、ルパンの声マネの方が得意なのだけれど・・・
もちろんクリカンでなく、元祖ルパン・山田康雄さんのほう・・・
俳優仲間の間でも、そっくりだと好評だったくらいだ・・・

「ふぅ〜〜じこちゅあ〜〜ん♪」
・・・しまった!! 思わず声が出てしまった。
真理の冷たい視線がささる。
でも、不二子ちゃんの尻を追い回すルパンのしつこさもばかにならない。

「透くん!! あれっ!!」
そのとき、ぼくたちの前方を走っている人影を見つけた!!
ついに犯人に追いついたのだ!! ありがとう不二子ちゃん!!
犯人はぐるりを館外周を回り込み、裏山へ向かって走っている。
その姿はモヤで輪郭はぼけているが・・妙に影が薄く・・・いや体全体が薄く、
動きはまるで幽霊のように地面をすべるような感じだ。

『まさか・・クリスタルむすめの怨霊・・!?
いや・・モヤでそう見えるのかもしれない』
犯人は裏山の坂道を駆け上り、ぼくたちも後を追いかけた。

「しまった!!見失ったか・・・」

「透くん!! あそこ・・!!」
ふと坂道のよこを見ると、古ぼけた鳥居がある。その奥の
短い階段を見上げると・・・小さな神社が見えた・・・
「もしかしたら、あそこに・・!?」
ぼくたちは、その神社に向かって階段をのぼり始めた・・・



「裏山にこんな小さな神社があったなんて・・」
その神社はいまにも朽ち果てそうな姿でそこに立っていた・・
濃いモヤがたちこめ、より不気味な雰囲気を醸(かも)し出している
あたりが明るくなってきたところを見ると、
時間は朝の5時くらいであろうか。

ふと、ぼくは言い知れぬ恐怖と緊張感に襲われた!!
「いるっ!! この神社の中にっ!!」
「ええっ!?」

ぼくたちは、この半濃く島に以前、ドラマの撮影で来ている・・
犯人は、ぼくたち(ドラマスタッフ?)に恨みを持っているようだ・・
キヨさんは犯人が館の裏門、真理は表門から逃げたと言っている・・
真理は後姿に見覚えがあると言っている・・・

「そうか・・なんとなくわかってきたぞ・・!! よぉ〜〜し!!
どんな風に犯人を言い当てたらかっこいいか検討しよう〜!!」
ぼくは・・・

A: 「じっちゃんのナニかけて!!」・・とKキッズ堂本剛くんのまねをして・・
『そういえば、じっちゃんのナニ・・ってなんだ・・?』

B: 真理の首筋に麻酔針を打ち込み、音声変換装置で彼女の声をまね、
名探偵・明智真理に手柄をゆずる

C: 頭をかきかきフケを撒き散らしながら、古谷一行のモノマネで・・
「いやぁ〜ホントは木の実ナナさんと共演の
ギャルと混浴サスペンス物の方が好きなんですけどネ」

D: 「ん〜〜ふ〜〜今泉くん〜〜もっと頭使いなさい・・」べち〜〜ん!!
・・と今泉のデコを叩きながら

E: 「将軍さまぁ〜〜あわてないあわてない・・」 座禅を組んで
つるつる頭を人差し指でクルクルっと撫でた後、
ポクポクポクポク・・・ち〜〜〜ん!!!!

「♪母上さま〜〜お元気で〜す〜かぁ〜〜♪」・・・ぱこ〜〜ん!!!!

「何かっこつけてるのよ!! 早く言っちゃいなさいよ!!」
案の定、突っ込みが入った・・
ぼくは意を決して犯人の名を口にした・・・

A: 「犯人は・・・真理だ!!」 ばこ〜〜ん!!!!「いいかげんにしてよ!!
さっきからあなたと一緒に犯人を追ってたのにぃ!!」
真理は怒りあきれた顔でぼくを睨んだ・・
「いや・・これもお約束ってやつで・・」

B: 「犯人は・・・ゴジラ香山さんだ!! 死んだと見せかけて実は
身代わりにゴジラの着ぐるみを食堂に置いたんだ!!」


C: 「犯人は・・・キヨさんだ!! あの姿・・異次元を引き裂くような
現れかた・・どう見てもあやしい!!
犯人が裏門から逃げたと言ったのもウソだ!!」

D: 「犯人は・・・釈お酌・・いや、釈由美子ちゃんだ!!
そう言って、神社の中から現れたら嬉しいので・・てへ♪」

E: 「犯人は・・・館にとりついていたクリスタルむすめの怨霊だ!!
でもやっぱりクリアはハズレなんだ
よぉ〜〜!!」

F: 「犯人は・・・ぼくだ!!」・・・おいおい!! 一人称で進めてたんだから
それはタブーだろう・・これまたお約束のネタということで。

G: 「犯人は・・・稲川淳二だ!! 実は送迎船の中に忍び込んでいて
今回のホラーな納涼企画をくわだてた。死んだと思った人物たちと共に
「楽しんでいただけましたか!?」・・と現れ、
のちに稲川さんの全国怪談ナイトツアーでネタにされ
さも本当の心霊体験のごとく語り続けるであろう・・」
「実はあたしの友人の話なんですがね・・・」

H: 「犯人は・・・グレート正岡さんだ!! じつは死んだ振りしてて
共犯者は兄弟の・・Z正岡!!」

I: 「犯人は・・・ブラスカ召喚・美樹本さんだ!!じつは死んだ振りしてて
共犯者は・・!?!?!?」