北アルプス 黒部五郎岳 鷲羽岳 水晶岳 雲ノ平 
〜 夏の山行 その2 〜 

1 期 日   平成27年8月18日(火)〜8月21日(金)

2 メンバー  SHIGERU   ABE

3 行 程

18日(火)
 折立発7:20・・・三角点9:00〜9:10・・・五光岩ベンチ10:30〜10:40・・太郎平小屋11:30(宿泊)

19日(水)
 太郎小屋4:00・・・北ノ股岳6:10・・・赤木岳・・・黒部五郎岳の肩9:20・・黒部五郎岳山頂9:30〜9:50

 ・・
肩10:05・・カール入り口10:10・・・黒部五郎小舎11:50〜12:25・・三俣分岐カールルート13:45

 ・・・三俣山荘 14:55

20日(木)
 三俣山荘 4:35 ・・・・鷲羽岳5:25〜5:35・・ワリモ岳・・・ワリモ分岐7:07・・・水晶小屋8:07・・

 ・水晶岳 9:45・・・ワリモ分岐・・食事・休憩・・祖父岳11:15〜11:25・・雲の平山荘12:15〜12:45

 ・・・奥日本庭園13:25・・・・・薬師沢小屋16:20

21日(金)
 薬師沢小屋 6:00 ・・・太郎平小屋 8:30〜8:45・・・三角点・・折立 11:30

4 感 想
 このコースは昨年計画したが、お天気に恵まれずに中止した。今年も1日予定をずらした。しかし、予報は後半下り坂というので、場合によってはショートカットもあり得ると考えて出発した。

18日
 夜中に村上を発って、有峰林道のゲート開通の6時まで入り口で時間調整をした。林道を通る車は作業車が多く、登山者は少ないようだ。お天気も曇り空で今にも雨が降り出しそう。
 折立の駐車場に着くと、全国から集まった登山者でいっぱい。なんだか安心してしまう。登山の準備をし始めると、大粒の雨が落ちてきた。雨具を着込んで手間取っている間に、幸い雨は止み、その後太郎平小屋に着くまで雨にはあわなかった。
 歩き始めからの樹林帯は、急で木の根もあって歩きにくいが、しばらく行くと石を置いた登山道になる。道は荒れているところが多い。前回はタテヤマリンドウが満開に咲いていたが、夏の花はすでに終わりかけている。今日は太郎平小屋で終わりなので気が楽だ。そんな余裕もあり、昼前に小屋に着いた。小屋で昼食を摂り、雲が取れてきたので外に出てみた。
 薬師岳方面がきれいに見えてきた。鷲羽、水晶岳は遥か遠くに見える。本当に行けるのかなと思う。明日の黒部五郎岳は雲に隠れたり出たり。これも遠い。北ノ俣岳も地図では近そうなのに、実際は遠くて大きい。明日はこの行程の1番の頑張り所、少しでも早めに出たいと思う。明日は暗いうちに歩く予定なので、太郎山方面ルートを確かめにいく。
 夕食時に山岳救助隊の方からお話があった。熱中症の予防、雲の平方面での木道での転倒事故が多いとのこと。気をつけなければ。いよいよ明日からが本番。頑張らなくては。

19日
 ライトをつけて小屋を出発する。足元がよく見えなくて不安だ。小屋から太郎山までは緩やかな傾斜の木道なので、暗いうちでも大丈夫かと出発したが、滑りやすい木道ではよそ見は危険だ。そのうち少し明るくなってきて、小屋からは見えない薬師岳の山頂も見えてきた。太郎平から黒部五郎岳、三俣蓮華岳のコースは、西銀座ダイヤモンドコースの一部であると知ったが、さすがに名前通りの景色が眼の前に広がってくる。上がるにつれて、見知った山が見えてくる。道も急ではないので、景色を楽しみながら歩ける。槍の穂先が見えてくると、北ノ俣岳は近い。雄大な景色だが、今日目指す黒部五郎岳は、とても大きく遠くに感じる。まだまだいくつも越えていかないと、足元には届かない。今日のこのルートを行く人は少ない。ソロの人が数名、5人のグループが1組くらいだ。ようやく五郎岳の取っつきまで来ると、あとは我慢の最後の登り。稜線の肩でザックを下ろし、山頂に上がる。6名ほどで山頂の景色を楽しむ。雲が取れてきて槍が顔を出してきた。絶景だ。カールの下には、五郎小舎も見える。なんだか近そう。
 お花畑を楽しみに、急なカールを下りる。さすがに岩がゴロゴロの五郎岳、カールも歩きにくい。近くに見えていた小舎も、歩けども歩けども着かない。思ったより遥かに遠い。
 やっと着いて昼ご飯にする。小舎はちょうどヘリコプターの荷揚げと重なり、注文したうどんとカレーがなかなかでてこなかった。休みすぎたこととお腹いっぱいになってしまって、小舎裏からの三俣蓮華に行く登りは、大変にきつかった。やはり行動食くらいで歩けばよかったと反省。小舎で、同じルートを歩いていた方と別れる。三俣まで行こうと誘っていたのだが、やっぱり今日はここでテントを張るという。明日からは天気が崩れる予報なので、私たち計画どおりに行けるかどうかと考え始める。
 
三俣山荘までも疲れている身体には大変遠くかんじた。小屋が見えてきたときにはほっとした。小屋前もキャンプ場も大変賑わっている。槍は眼の前にどっしりと控えている。鷲羽岳もかなり急には見えるが、1時間半ゆっくり頑張れば手が届くだろう。夕食までの時間に明日の計画を練る。雨は午後からというので、予定通り、鷲羽と水晶岳は登る。ただし、4日目は朝から雨になるので、薬師沢小屋まで頑張っておこうということにした。そのためには、明日も早出。しかし三俣山荘から鷲羽岳までは急なので、明るくなってからの4:30スタートとした。
 夕食はジビエのシチュー、香辛料がたっぷりときいた鹿肉だ。今日も早く寝て、明日に備えよう。明日は今日より長丁場だ。

20日
 三俣山荘は、多方面からの登山者の基地であるからみんな早起きだ。私たちも4時には朝食のお弁当を食べて、予定通り出発する。すぐに明るくなってきた。今日も槍がよく見える。硫黄尾根は本当に赤い山肌である。鷲羽岳までは予定時間に到着、山頂はまだ人も少なくゆったりだ。でもそうのんびりはしていられない。お天気も変わってきている。ワリモ岳、ワリモ分岐を経て水晶小屋につく。水晶の小屋の前の槍も美しい。今回はいろいろの槍を見られるルートだ。水晶岳まではいくつかのはしごやらを越えて山頂につく。山頂は狭く、大きなプレートもない。登って来る人も増えてきたので、早めに下山、途中雨が当たり始めた。岩場で雨は避けたい。途中で雨具を着込んで、ワリモ分岐から、祖父岳を目指す。途中雨がやんだので平地で食事を摂る。今回登ってきた山に取り囲まれている場所。祖父岳はもっと360度の展望だというので、先を急ぐ。山頂は広く景色が見渡せる。どこを切り取っても絵になる。ゆっくり楽しみたいが、先はまだまだ。祖父岳を下ると、雲の平山荘はすぐ近くに見えるのだが、最短ルートでは行かせてくれず、かなりの大回りとなる。本当にこれでいいのかと不安になるような道で、途中であった女性に聞くとまちがいないという。「雲の平山荘はとってもおしゃれですよ。」という言葉を励みに歩いた。山荘はおしゃれなカフェのようだった。あんこのホットケーキを食べて残りの行程を頑張ろうと注文したが、丁寧な手作りのようで、ここでも大幅に時間ロス。奥日本庭園のあたりからもう雨が降り始め、滑る木道をゆっくりと進み、木道が終わると今度は滑る大きな岩の急な道と格闘し、最後は垂直のはしご段と吊り橋を渡り、ようやく薬師沢小屋についた。小屋では、2日目に別れた男性と再会し、夕食後は他の登山者の方も交えて話が盛り上がり楽しく過ごした。薬師沢小屋は、食事もアットホームな小屋だった。

21日
  今日は朝からいい雨が降っている。昨日無理してもここまで下りてきて正解だったと思う。この雨の中であの岩場を下りてくるのは至難の業だと思った。今日から雲の平方面に向かう人が大半で、人ごとながら大変だなあと思う。でも登りだから下りより危険は少ないだろう。久しぶりに朝食をゆっくり食べて、小屋をでた。太郎小屋までは3つほど大きな橋をわたる。橋をすぎるとお花畑もきれいだが、雨なので撮影は控えた。最後は、階段状の土留めと思われる柵がかなり続いているので、歩きにくかったが、雨の中に太郎平の小屋が突然現れたように見えたときはほっとした。ここでまた長時間休んでいては歩けなくなるので、少し休憩して下り始めた。
 途中で雨が止んだ。有峰湖も見えてきた。下山に飽きてきたので、今日も最後はギアチェンジして、折立の登山口に無事帰ってきた。2日目、3日目と長丁場であったが、緊張感をもっていたからか、幸い事故もなく終わった。想像以上に大きくて深い山域であった。

5 山行写真

有峰林道入り口で6時の開通を待つ

折立についたら雨

雨具を着て出発

登山届は太郎平小屋に提出のこと!

歩き出してすぐに雨はやみ、雨具を脱いだ

アカモノ

三角点で休憩

今盛りの花はイワショウブ

木道も設置されている

有峰湖が見えてきた

五光岩ベンチ

イワショウブとピンクのミヤマママコナ

青空が出てきた 小屋も見えてきた

チングルマはやはり綿毛

小屋に到着 今日はここまで

この小屋には山岳警備臨時派出所がある

雲が時折取れるので、記念撮影 薬師岳方面 山頂は見えないけど

後ろ左手は水晶岳 あんなに遠いけど大丈夫だろうか

右手のとんがりは鷲羽岳

小屋周辺は秋の気配

もう一度薬師岳 今日のベストショット

太郎平小屋の夕食

翌日暗いうちに歩き始めた しばらくして薬師岳方面から明るくなってきた

雲海

薬師岳の全容 今日のお天気に期待

リンドウはまだひらかない

高度を上げるにつれて、槍の頭が見えてきた

黒部五郎岳と笠ヶ岳

薬師岳が北アルプスの女王といわれるだけあって、たおやかで美しい

中央は今日登る黒部五郎岳、大きいし遠い

北ノ俣岳に行く途中から、笠ヶ岳が見えてくるのだ

北ノ俣岳に続く道

お花畑と遠景

北ノ俣岳

ケルンの後ろは手前から、笠ヶ岳、乗鞍岳、御嶽山

山の名前を聞いている

笠ヶ岳は岐阜県民の心の山だと聞いた

ずっとこんな景色を見ながら、なだらかな道を歩けたらいいのに。
そうは甘くないのだけれど、しばらくは楽しもう。

槍も立派

赤木岳

五郎の登りは、もう一つ手前の山を越えてから

お日様がでてきたので花がひらいてきた

薬師岳をバックに

五郎岳 近寄ると大きすぎて入らなくなる

最後の登り ただ黙々と足元を見て

ここまで遠かった

ようやく黒部五郎の肩到着

山頂はあと少し

黒部五郎岳山頂

記念写真

水晶岳と雲の平、雲の平山荘が小さく中央に

薬師岳、剣岳方面

槍は穂先だけ

穂高も雲に覆われていた

五郎のカール 中央上部に五郎小舎が見えた

小舎拡大

薬師がきれい

だんだん雲が取れてきた

槍もでてきた

中央は剣

槍ともう一度記念撮影

名残惜しいけれど次にいかなければ

山頂を振り返る

カールルート 出だしは急なので注意

いい天気に恵まれた 荒天時は稜線ルートだという

雪渓も残っている

お花畑とはいうものの、岩がごろごろで歩きにくい

コバイケイソウと水晶岳方面

この目印を頼りに

残っていたチングルマ

見えていたのに遠かった小舎まで

ミヤマリンドウ

黒部五郎舎到着 ちょうどヘリコプターの荷揚げと重なった

三俣方面に向かう

最初からかなりの上りで、あっという間に小舎があんな下に。
それにしても五郎からの下りも大変だったと見てわかった

一旦上に上がる 開けたお花畑 コイワカガミも少し

巻き道分岐 カールルート選択 三俣蓮華岳は今回パス

鷲羽岳に近くなってきた

お花が見えてきた

今回初めてみたハクサンイチゲ

ミヤマキンポウゲ

鷲羽、水晶がほんとに近くに

三俣山荘が見えた! けれどここからはまだ遠いのだ

でもテンションはあがってくる

鷲羽岳 ワリモ岳

雪渓を渡るのは今回ここが初めて

雪解けが遅いということは、チングルマモ残っているということ

小屋に到着した

小屋の前からはこんな近くに槍が 手前は硫黄尾根

槍を見るとすぐに記念撮影

鷲羽岳が美しい

三俣蓮華岳方面

夕食はジビエシチュウ

ランプをつけて朝食のお弁当を食べる

今日はかなりのハードな日程、でも昨日より30分遅れで安全確保で出発

明るくなるとともに いい景色が広がる

三俣山荘があんなに下になった

鷲羽池

鷲羽岳山頂まであと少し

予定通りに到着

今日も槍はきれいに見えます 今のところは

お天気の崩れが心配 先を急ぐ

槍が大好き

水晶岳も岩場

注意して下る

祖父岳方面

ワリモ北分岐 水晶方面へ

水晶岳に雲がかかってきた

水晶小屋分岐

水晶小屋

野口五郎岳方面

水晶小屋からの槍

水晶岳への道

いよいよガスがかかってきた

水晶岳へははしご有り

岩場を越えて

狭い山頂

雨が落ちてきたので早く降りる

岩苔乗越

雨がやんできたので ここで食事

かれんなウサギギク

祖父岳に向かう道は どこもかしこもビューポイント

どこをとっても絵になる

笠の頭がすてき

祖父岳山頂 360度の大展望

祖父岳を降りると、雲の平の分岐 左手奥に雲の平山荘

雲の平山荘は見えるが、ぐるっと巻き道を行かせるので、思った以上に遠い

薬師岳が近くなると今回の山行も終盤

雲の平 花はもう終わりかな

おしゃれな雲の平山荘 ここで泊まれたらのんびりできたのに残念

テラスでホットケーキをおしゃれに

奥日本庭園 ここからは雨のなか、延々と薬師沢小屋まで下った 撮影終了

薬師沢小屋の夕食 おいしかったです

翌朝の朝食 ゆっくり落ち着いて朝ごはんを食べるのは久しぶり
    おいしくいただきました

雨の中を出発

でも今日は帰るだけなので気が楽
増水した川を渡るのは危険だけれど、このくらいなら大丈夫

176 途中トリカブトの群生地があった

順調に太郎平小屋まで来た あとは本当に折立までの下り

元気に戻ってきました