山熊田の人々に受け継がれた「生業」は、かつて日本全国にあった人々の暮らしであり、風景だったかもしれません。現代社会の中で失われた日本の元風景がここには存在し続けています。
 決して、この「生業」にこだわり続けたのではなく、「ここの暮らしが好きだから。」、だから、当たり前に、自然に「生業」を受け継いできた人々の暮らしを、
多くの方に、「来て、見て、体験」し、「思い出して欲しい」、「感じて欲しい」、そんな思いで「さんぽく生業の里」は設立されました。



「灰の文化」とは、先人の知恵が生み出したリサイクルの文化


 電気もガスもなかった時代、人は山から木を切り出し、それを燃やし、暖を取り、煮炊きし暮らしてきました。そして、木を燃やすことで生じる灰を捨てることなく、酒、味噌、醤油、和紙、染物、焼き物を作る時や食物のあく抜き等、衣食住の様々な分野で巧く利用し、暮らしを豊にしてきたのです。化学薬品がなかった時代、灰は捨てるものではなく大切な資源だったのです。
 江戸時代、灰を商う「灰屋」という商売があったそうです。この灰屋とは、家々のいろりやかまどから灰を集めてこれを染物やに売る商売で、この灰屋を生業として巨額の富を得た灰屋紹益は、井原西鶴の「好色一代男」の主人公、世之介のモデルだと言われています。灰屋とは、今でいう「リサイクル業者」ではないでしょうか。
 リサイクルとは、決して新しいものではなく、昔ながらの人の暮らしの中にあったのだと思います。物質文明の発展による大量生産、大量消費の時代を経て、人は改めて昔ながらの暮らしの大切さを再認識したのではないでしょうか。
 「さんぽく生業の里」がある山熊田では、昔ながらの人の営み、究極のリサイクルと言っても過言ではない「灰の文化」が確かにあるのです。




「灰の文化」とはコミュニケーションの文化


 昔の家には、いろりがありました。テレビがなかった時代、囲炉裏の周りに家族全員がが集まり、お互に顔を見合わせ、おしゃべりをしながら食事をしたり、夜なべをしたり、子供たちは年寄りから昔話を繰り返し聞いたりしたものでした。
 「旅」の語源は「他火」つまり「他人の家の火を借りて一夜をしのぐ」という説があるそうです。見ず知らずの旅人に屋根を与えいろりの火を囲む。そこには人と人との温かな交流があったと思わずにはいられません。
 いろりは、お互いの顔が見渡すことができ、コミュニケーションを取るのに誠に適しており、かつては、家族団欒の場であり、社交の場だったのです。
 私たちは、人と人とのつながりを大切にする暮らしも「灰の文化」だと考えています。
 




 お客様に旬の食材を召し上がっていただくため、メニューは、料金を決めていただいてのおまかせ料理のみとなっています。
 下記の金額からご予約をお受けしております。
 ご要望により、とち餅、焼きおにぎり、あんべ飯(炊込御飯)などもお出しできます。(5人以上)
 
●昼食  要予約(1,500円〜)
●飲み物
        





 当組合では、灰の力を利用した特産品の販売を行っています。注文販売となりますので電話にてご注文ください。
赤カブ漬け
山焼きの畑で栽培された赤カブだけを使った赤カブ漬けは、適度な歯ごたえと、辛味が調和した漬物として好評です。

真空パック入り(350g) 1パック 650円
トチ餅
栃の実はアクが強くそのままでは苦くて食べられません。そこで灰の力を利用してアク抜きをします。

とち餅大福     とち餅(真空パック)
5ヶ入り750円   6枚入り  750円
あく笹巻
木灰で作った灰汁水に浸したもち米で作られるあく笹巻は、独特の風味と食感で、一口食べると病みつきになってしまいます。

あく笹巻 1組(5個) 650円
しな布
古代織りの一種であるしな織りは、しなの木の皮から作られ、皮から繊維を取り出す際に灰の力を利用しています。当組合では、しな織りの伝承に力を入れています。





 当組合で、皆様に「灰の文化」を体験していただくため、各種体験コースをご用意しています。(要予約)
 体験は、各コースとも5名様以上となっております。人数、体験するメニューにより料金が異なりますので、予約時にご確認ください。


赤かぶ漬け体験 4,000円〜(1人) 昼食付 餅つき体験 あんこ無し一升8,000円
あんこ付き一升9,000円
 「赤かぶ漬けは何で色をつけているのですか?」時折こんな質問を頂きます。
 赤かぶ漬けの色は自然の色です。酢と砂糖と塩だけ、他に何も使って入ないことは、体験すればわかっていただけます。
 昔ながらの杵と臼を使った餅つき体験
ご希望により、とち餅もちなどの餅つきも体験いただけます。

昼食付/10月〜11月/往復はがきのみ受付/申込10月10日まで
土日1名〜、平日15名〜/11:00−13:00/かぶ漬2kgお土産

あく笹巻づくり 7,500円(1升分) しな織り体験 1,500円〜(1人)
 灰汁水につけたもち米を笹で巻いて作る「あく笹巻」は、全国でも当町だけで作られている珍しいチマキです。
5名〜/60個分/4時間 3日前まで予約受付
 しなの木の繊維から作られるしな織りは、ほとんどの古代織りが麻や芭蕉などの草の繊維から作られており、大変珍しい古代織りです。
1名〜/30分/前日まで予約受付
 

ブローチづくり
ストラップづくり
各1,500円〜(1人)
 しな布を使った、ブローチ/ストラップづくりなどが体験できます。
5名〜/30分/3日前まで
料金はすべて消費税込みとなっております。
児童、生徒の体験学習にもご利用いただけますので、お気軽にご相談ください。

お問い合わせは
さんぽく生業の里企業組合
〒959-3917 新潟県村上市山熊田325番地
TEL・FAX 0254‐76‐2115