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内科 五十嵐 仁

「広報せきかわ」2017年1月号より

冬こそ歩こう (糖尿病悪化予防のために)

関川の冬は寒くて雪深くって厳しいですよね。こたつにもぐって、暖かい部屋で、ゴロゴロ過ごすことって気持ちいいですよねえ。テレビを見ながらお菓子を食べ、ジュースを飲みます。おいしいご飯を食べ、お餅を食べます。なんて幸せなんでしょう。しかしそのゴロゴロした生活が、健康をむしばみ糖尿病を悪化させます。

40歳以上の4人に一人、60歳以上の3人に一人は、糖尿病または糖尿病予備軍といわれています。糖尿病は血液中の糖分(血糖)が高くなる病気です。インスリンというホルモンが少ないか働けないと血糖が上がります。糖尿病は症状は余りないのですが、ほっておくと血管が痛み、さまざまな病気が出てきます。脳卒中、心筋梗塞、失明、腎不全、足がくさる、ふらつく、などなど。それぞれに対して治療が必要です。医療費が高くなるし、体は不自由になるし、大変です。だから患者さんは治療を受けます。

糖尿病にもお薬がありますが、飲んでいれば大丈夫という訳ではありません。先ほどの、お菓子、ジュース、ご飯、お餅、これみんな分解されれば糖分で、血糖が上がる結果となります。治療といった点からは、このような食べ物を減らすように努めることが必要です。また、冬場は他の季節と比べて、体を動かす機会がぐっと減りますね。筋肉は糖分を消費してくれる重要な臓器です。筋肉は使わないと糖分を消費してくれません。治療を受けている方の中には、冬場になると糖尿病が悪くなる方はいませんか。よく見られます。運動不足が原因です。

運動をすることで、糖分が消費されます。インスリンの働きが良くなり、血糖が下がりやすくなります。運動能力が保たれ、心肺機能が保たれ、認知機能が保たれます。ゴロゴロする時間が減るので、間食の誘惑も減ります。寒いから外に出るのは嫌だなと思っても、寒くない格好をして気合いで出かけましょう。地元で歩く必要はありません。車に乗って快適な場所まで出かけましょう。海岸近くにまで出向けば、雪は少なく歩きやすい平地がいっぱいです。天気のいい日の散歩は気持ちいいですよ。関川村以外の体育館にはウォーキングコースが設置されている所が多いです。大きなショッピングセンターで歩き回るのもいいでしょう。冬こそ健康を守るために歩いて、次の春が来るのを楽しみに待ちましょう。