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内科 鈴木薫

「広報せきかわ」2016年8月号より

ボケの予防について

平均寿命が延び、元気なお年寄りが増えて来ています。同じ年齢でも、今の高齢者は昔の高齢者より若くみえます。サザエさん一家のおじいちゃん、波平さんは54歳です。寿命が来るまで元気に過ごしたいですし、特にボケたくはないものです。認知症は色々な原因からなる病気ですが、ボケは認知症の始まりの場合と年齢にともなう自然の経過の場合があります。ボケを防ぐ生活習慣がわかってきています。

脳は糖分と酸素を体の中で最も多く必要としています。脳への酸素と糖分は血管の中を血液で運ばれています。脳が働く時には血の流れが急激に増えます。ボケを防ぐには脳の血の流れが減らないようにする事が最も大事です。では、どうすれば良いのでしょうか?脳の血の流れを保つには最も大事な事は頭を使う事です。

1:漢字を書く。漢字を手で書いたり、文を写したりする事が大事です。一番良い事は毎日日記など文を書く事です。

2:計算をする。算数程度でも良いので、計算をする事は効果的です。買い物などで払うお金やお釣りを自分で計算する事を習慣としましょう。

3:パズルなどを楽しんでする。

4:人と会って話をする。これは大事です。

最近はもっと効果のある方法が分かってきました。今まで説明した方法では脳の一部しか血の流れは増えません。しかし、息が弾む程度の運動を行うと脳全体の血の流れが増えます。散歩の場合は速足で外を歩きましょう。外は道も凸凹して変化がありますし、景色も変わる為に屋内で歩くより効果的です。

頭を使う事をしながら運動をするとモット効果的です。歌を口ずさみながらの散歩。慣れない動きをマネしながらの運動などです。NHKでテレビ体操を放送していますが、種類も多く、内容も色々変わる為にお勧めです。

動脈硬化が起こる高血圧、糖尿病などの治療をしっかり行う事も大事です。運動をキチンと習慣ですれば血圧、血糖、コレステロールも下がります。ピンピンコロリの為に、毎日の運動が習慣となる様に一緒に頑張りましょう。