横山 麻子 管理栄養士
「広報せきかわ」2015年4月号より
「サルコぺニアって知っていますか?」
はじめて聞く方も多いかと思います。近年、高齢化が進む日本で、深刻な健康問題と
なりつつあります。では、サルコぺニアとは、何でしょう。骨格筋・筋肉が減少していることを言います。私たちの筋肉量は、20歳代後半から30歳頃がピークであり、徐々に加齢に伴い筋肉量は減少していきます。80歳以上では、30歳のころの筋肉より50~70%に低下すると言われています。加齢だけではなく、活動量の低下、病気、栄養不足も原因になります。
皆さんは3食しっかりと食べていますか?メタボは聞いたことあると思います。これは、食べすぎによる過栄養が原因ですが、実は低栄養の方もたくさんいます。特に高齢者で多く見られます。年をとるとともに、必要エネルギーは減りますが、たんぱく質やビタミン、ミネラルの必要量はそれほど変わりません。ごはんと漬物と味噌汁で終わっていませんか?煮物ばかり食べていませんか?肉・魚・卵・豆腐など食べていますか?牛乳は苦手ではありませんか?菓子パンが食事となっていませんか?果物は食べていますか?若い時と比べて、量が減っていませんか?
炭水化物と野菜が主という高齢者が多く見られます。たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足しバランスが崩れると、効率よくエネルギーや筋肉合成に使われず、低栄養となり筋肉量が減っていきます。
1 肉・魚・卵・豆腐や納豆など、たんぱく質を食べる。
2 噛む力、飲み込む力に合わせて、調理方法を工夫する。
3 牛乳やヨーグルトを摂る。
4 骨を強くするために、ビタミンDを多く含む食品(青魚、乳製品、きのこ類)を食べる。
など、食生活を少し工夫するだけで、サルコぺニアを予防できます。
同時に、散歩など運動することで筋肉量が維持できます。ビタミンDは皮膚でも作られるため、お天気が良い日の散歩はさらに良好と言えます。
サルコぺニアは、「栄養」「運動」が極めて重要な対策の要素です。骨・関節・筋肉の維持に効果的な栄養摂取と日常の運動が、高齢者の生活に大きな影響をもたらすと言われています。3食しっかり食べ、適度に運動しましょう。
食が細い方は、栄養補助食品の利用も有効です。医師や管理栄養士に相談してください。