本文へジャンプ

富田 広 外科部長

「広報せきかわ」2015年1月号より

腹腔鏡手術の安全性

 坂町病院外科では胃や腸の腹腔鏡による手術を新潟県阿賀北地区の病院ではいち早く平成19年から本格的に導入して行っております。

 腹腔とは「お腹のなか」ということであり、胃や腸がおさまっている空間のことです。腹腔鏡とはお腹の中を観察するカメラのことです。腹腔鏡手術とは、この誌面でも何回か掲載させていただいておりますが、お腹に小さい穴を何か所かあけて、その穴からカメラや特殊な道具をお腹の中に入れて、テレビモニターを見ながら手術を行う方法です。現在坂町病院外科では、胃、胆嚢、小腸、虫垂、結腸、直腸の腹腔鏡手術を年間約100例行っております。これは坂町病院程度の規模の一般病院では全国的にもかなり多い症例数であると自負しております。腹腔鏡手術を本格導入してから7年になりますが、この間にも道具や器械がより良いものが開発され、さらに我々外科医の技術も進歩することにより、より傷が小さい、より手術時間が短い、患者さんにとってはより負担の少ない手術が可能となっております。

 平成26年11月に県外の病院で腹腔鏡による難しい手術により沢山の方が亡くなったという報道があったことを皆さん御存知と思います。この報道をご覧になって「腹腔鏡手術は怖い」という印象をお持ちになった方も中にはおられるかと思います。坂町病院外科で手術を受けられる患者さんには手術前に私から本人、ご家族に手術に関する詳しいご説明をさせていただいております。腹腔鏡手術のお話をさせていただくと、中には「怖い手術ですね」とおっしゃられる方が時々おられます。また、医師の中にも未だに「腹腔鏡手術は危険な手術だ」という認識を持った先生がおられることには驚かされます。

 先ほど坂町病院外科では多くの腹腔鏡手術を行っていると述べさせてもらいましたが、何でもかんでも腹腔鏡で手術を行っているというわけではありません。腹腔鏡手術も利点と欠点があり、この点を十分に考慮し、お腹を切り開く手術の方が良い場合には無理に腹腔鏡手術は行わないようにするということが重要です。そうすれば腹腔鏡手術は決して危険な手術ではなく、安全な良い手術だと考えます。