石塚 利江 医師
「広報せきかわ」2014年11月号より
水ぼうそう(水痘)
平成26年10月から水痘ワクチンが定期接種化され、1~2歳児は原則無料で2回の接種が受けられるようになる。
水痘は感染力がとても強く、水痘の人に出会えば、気道や眼の粘膜を通して感染し、ほとんどが14日後に発症する。
年に100万人が発症するという身近な病気なので、大した病気と思ってない人が多い。しかし、重い合併症や死亡例もある。400人に一人が重症化して入院し、年間20人位が死亡すると推定されている。
年齢的には生まれてすぐからうつる。12歳以上から大人が重症になりやすい。
幼児期も含め、重症合併症としては
①脳炎・脳症・急性小脳失調症・顔面マヒ
②脳梗塞(治ってから6か月以内におきる)
③肺炎
④ガン・白血病・ネフローゼなど免疫を抑える治療を受けている子供が水痘になると、命取りになる事があり、極めて危険。
⑤急性心筋炎
⑥妊娠初期に感染すると、赤ちゃんに異常が起こることがある。
⑦水痘を発症すると、治った後もウイルスは体内(神経節)に潜んでいて、加齢や疲労で免疫が下がると再び暴れ出し、発疹や激しい痛みを引き起こす。これが帯状疱疹で、80歳までに3人に一人が発病すると言われている。米国では大人にも水痘ワクチンをして、高齢者の帯状疱疹は半減している。
⑧痒くてかきむしって、皮膚に細菌が感染する事、特に溶連菌感染合併は重症になることがある。
⑨追加:水痘接触後72時間以内にワクチン接種をすれば、発病を防ぐことができる。
時間が勝負です。