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横山 麻子 管理栄養士

「広報せきかわ」2014年4月号より

「新潟県民のみなさ~ん しょっぱい味付けになっていますよ~」

 このフレーズを、見かけた方はいますか?「にいがた減塩ルネサンス運動」のポスターに載っています。この運動は、胃がん・高血圧対策として、①食塩摂取量2gの減少 ②野菜2皿の増加 ③果物は1皿の増加 を目標とし、新潟県が平成21年度から10年かけて取り組んでいる運動です。減塩が健康につながることを「ルネサンス=再発見」してほしいという願いを込めて名付けられました。「食塩(ナトリウム)は血圧を上げる→カリウムはナトリウムの排泄をうながす→野菜や果物にカリウムが多い→だからきちんと食べよう」これがルネサンス運動です。(病気によりカリウム制限のある方は、主治医に相談しましょう)みなさんはどうですか?

 新潟県のS52年の1日の食塩摂取量は18gでした。H23年は10.4gと減っていますが全国平均10.1gより多くなっています。近年健康志向が流行の中、マスコミの影響もあってか家庭の食事が薄味になっています。私が栄養士として働き始めた20年前は病院の食事は薄いという方がほとんどでした。ところが今は、ちょうど良いという方が半数いらっしゃいます。これも県が減塩運動を続けてきた結果と言えます。ですが、せっかく薄味になっても、いやいや薄味になったからか「漬物がないとご飯が食べられない」とか「味噌汁は毎食ないと食べた気がしない」とか塩分の濃い物をたくさん摂る傾向にあります。地域柄塩鮭の摂取も多くなっています。これでは減塩とは言えません。

 長期的なこの運動の目標が達成されると、県民の最高血圧の平均は2mmHg低下し、その結果として脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数や罹患者数がかなり減ると試算されています。味噌汁や漬物は1日1回にする、毎食野菜料理を1皿以上食べる、果物は毎日1個食べるなど、できる事からはじめてみませんか。「にいがた減塩ルネサンス運動」に皆さんもぜひ取り組んで、健康に過ごしましょう。