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岸 とし 薬剤師

「広報せきかわ」2014年2月号より

PTP包装シートの誤飲(ごいん)
・・・くすりをのむ時は口に入れる直前にもう一度確認しましょう・・・

 錠剤やカプセル剤の包装はPTP包装シートと呼ばれるプラスチックにアルミなどを貼り付けたものが主流となっています。この包装を切り離し、そのままのんでしまう事故(誤飲)が報告されています。切り離した包装の角は鋭く、のみ込むと食道などの消化管に刺さって傷つけ、場合によっては消化管を突き破る(穿孔)おそれがあります。「包装のままのんでしまう」などありえないと考えられると思いますが、国民生活センターに報告されているだけでも毎年10件前後あります(2010年調べ)。私が以前勤務していた病院にも包装を誤飲した患者さんが受診されたことがあります。

 誤飲は高齢者に多くみられますが、若い人にもみられ、考え事をしていた、あわてていた、テレビを観ながらのんだなど、注意力がかけている時に起こっています。のんだ直後に気づいた例もありますがその時は全く気づかず、後でのどや食道の痛み等何らかの症状が出てから受診した例もあります。ほとんどは軽症で済んでいますが、入院を要した重症例もあります。

 誤飲防止対策として、包装の裏側には包装から取り出してからのむよう注意をうながす「くすりの取り出し方」の絵があります。また、ミシン目も縦か横の一方向だけに入っており、間違ってそのままのんでしまう大きさ(1錠ずつ)に手では切り離せないようになっています。

 1錠ずつにすることは避けた方が安全だと言われていますが、のむ数を間違えないように1回分ごとにハサミで切り離しておいでの方も多いと思います。病院でも誤飲の可能性がないと判断できる方には切り離したものをお渡しする場合もあります。お薬カレンダーやケースにセットする時も切り離さなければならず、危険は残ります。

 くすりをのむ時は包装の誤飲の危険性も頭に置き、次のことをこころがけましょう。

・くすりは口に入れる直前にもう一度確認し、あわてず、落ち着いてのむ。
・万一PTP包装を誤飲したら、すぐに受診する。誤飲の自覚がない場合でも、のんだ後にのどや胸に違和感がある場合は受診を考える。
・誤飲の危険が考えられる場合、家族や介護者はのみおわるまで見守り、1回分のくすりをまとめて包む「一包化」についても相談、検討する。
・(できるだけ)1錠ずつに切り離さない。


    PTP:Press Through Packageの略 押して突き破る包装の意味