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影向 晃 医師

「広報せきかわ」2013年12月号より

ぜんめいのお話

 ぜんめいという言葉を聞いたことはありますか?具合が悪くて息切れがするときに、のどの奥の方から「ゼイゼイ」「ゼロゼロ」「ヒューヒュー」といった呼吸の音が、自分や周りの人の耳に聞こえることがありますが、その音のことを医学用語で「喘鳴(ぜんめい)」といいます。喘鳴はどなたにも経験があるのではないでしょうか?

 喘鳴を起こす病気は喘息(ぜんそく)が有名なのですが、喘鳴があるときには必ず喘息発作であるというわけではありません(ややこしいですね)。気管支肺炎や心不全などでも同じようなゼイゼイという音がしますので、注意が必要です。気管支のむくみや痰が邪魔することによって呼吸の通る道が狭くなれば、結果的に喘鳴が発生するので、その音だけではどの病気か、なかなか区別ができないのです。乳幼児の喘鳴では気管支炎の可能性が高く、高齢者で足や顔のむくみを伴えば心不全である可能性が高くなります。ただし、これらの病気はそれぞれ併発することもあり、その判断は簡単ではありません。

 このように喘鳴はいろいろな病気の症状として現れますが、共通する点として、喘鳴がある時には仰向けに寝るとかえって息苦しくなり、座って安静にした方が楽になることが多いという傾向がありますので、参考にされるとよいかも知れません。

 もう1つの共通点は、喘鳴を起こす病気はいずれも重症になると危険だということです。肺炎や心不全は高齢者の死因の多くを占めますし、また不幸にも喘息発作で亡くなってしまう方も国内で年間約2000人もおられます。風邪などの予防はもちろん大切ですが、息苦しくてゼイゼイしている場合には、基本的に早めに受診されることをおすすめします。