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鈴木 薫 医師

「広報せきかわ」2013年3月号より

心房細動のお話

 心臓は大きく分けて四つの部屋から出来ています。心臓の上の部分を心房と呼び静脈から血液が心臓に戻ってくる部分です。下の部分は心室と呼ばれ心臓から血液が出て行く部分で夫々右左があります。普通は規則正しく心房が興奮し心室に血液を送り込み、その後心室が興奮し全身に血液を送り出します。その為、脈は規則正しく打っています。心房細動は心房が一分間に400以上の速さで興奮する為、心室は心房と一緒に興奮しないで不規則に興奮します。その為、脈はバラバラになり、脈が速くなったり遅くなったりすると感じる場合が多いです。

 心房細動は死なない病気で症状が無い場合も多いですが、最も恐ろしいのは脳梗塞になり易い事です。田中元首相、小渕元首相、更には巨人の長島さんも心房細動から脳梗塞になったと思われます。脳梗塞は生命が助かっても後遺症が残り、その後の生活に支障をきたす事が多いので予防が最も大事です。

 心房細動による脳梗塞は、抗凝固剤(ワーファリン、プラザキサ等)で普通の人と同じ程度まで危険を減らす事が出来るといわれています。抗凝固剤を飲むには幾つか注意する事があります。ワーファリンは量が多すぎると出血が止まらなくなりますし、量が少ないと効果がありません。その為、血液検査の値をみて量を調整する必要があります。納豆、蕨や青汁等を食べると薬の効果が無くなります。一度効果が無くなると同じ量の薬を飲んでも駄目で、量の調整をやり直さなければなりません。だから、「少しぐらいなら食べても」は禁物です。プラザキサは何を食べても良く、血液検査の回数も減ります。しかし、1日でも飲まないと効果が無くなりますのでキチンと飲む必要があります。

 抗凝固剤を飲まないでいて脳梗塞になった人は数多くいます。抜歯も昔は抗凝固剤を中止して行っていましたが、今は服用したまま行っています。内視鏡も服用したまま行う施設が増えてきています。薬を休むか否かは必ず処方している医師に相談して下さい。また、出血しやすい、皮下出血しやすい等の場合も必ず受診して下さい。