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石井 良 薬剤師

「広報せきかわ」2012年12月号より

ジェネリック医薬品について

 最近テレビで「ジェネリック医薬品」という言葉をよく耳にしませんか?また調剤薬局で「ジェネリック医薬品に変更されますか」と聞かれることはないですか?ジェネリック医薬品とは新薬(先発医薬品)と同じ有効成分で、効能効果が等しいと国に認められた医薬品です。新薬の特許期間の終了に伴い、厚生労働大臣の承認のもと他のメーカーより新たに製造販売されます。開発費用が新薬に比べて抑えられるため、薬の値段も安く抑えることができます。

 ジェネリック医薬品の普及は厚生労働省より推進されている事業ですが、欧米諸国での普及率5~6割に比べ、日本では2割と、まだまだ低いのが現状です。坂町病院内で使われる薬は全体の1割台となっています。この原因としては欧米との医療保険制度の違い、日本ではジェネリック医薬品が推進されてまだ間もないこと、国民性の違いなどがあると言われています。より普及を高めるために、2008年からは医師が書く処方せんの形式に変更がありました。処方箋に医師がジェネリック医薬品への変更は認めないというサインがない限り、原則的には患者さんの希望で先発品またはジェネリック医薬品を調剤薬局で選べるようになりました。このコラムを読んでいる方の中で、もし服用しているお薬の費用が気になっている方がいれば一度、病院または薬局に聞いてみてはいかがでしょうか?

 ジェネリック医薬品のメリットはもちろん薬の値段が安いことにあります。選ぶ薬にもよりますが、だいたい3~5割自己負担額を抑えることができます。しかしその反面いくつかの問題も指摘されることがあります。

 お薬の中身を覗いてみると大きく分けて有効成分と添加物に分けられます。添加物は薬の形を整えたり、体内での溶けやすさを調節したり、矯味などの目的で使用されます。各メーカーによりこの添加物が異なることがありますので、例えば錠剤なら大きさ、お口の中での溶けやすさで飲み易さが異なることがありますし、粉薬なら薬の味により飲み易さが異なることがあります。また貼り薬では剥がれ易さに違いがあることがあります。

 薬の値段も大切ですが、自分に合った薬を使用することが長期に渡って薬を続ける上では大切だと感じます。今日では医療機関で処方された薬をただ飲むのではなく、十分な薬の説明を受けた上で、患者さん自身が利益にかなった薬を選択する時代になってきたのかもしれませんね。