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今田 研生 医師

「広報せきかわ」2012年11月号より

アナフィラキシーとは?

 皆さんはアナフィラキシーという言葉をお聞きになったことがありますか?アナフィラキシーとは、ある特定の物質により生じる急性の全身性アレルギー反応のことです。重症の場合は血圧低下を伴うショック状態になり、死亡することもあります。 アナフィラキシーは、主に免疫グロブリン(IgE抗体)を介した即時型のアレルギー反応によりますが、IgE抗体と関係せずに起因物質が直接反応するものもあります。

 原因としては、薬物、血液成分、食物、ハチ・ヘビ毒、ラテックスなどがあります。運動に関連して起きる運動誘発性アナフィラキシーがあり、さらに食物摂取後に運動した時のみに起きるものを、食物依存性運動誘発性アナフィラキシーと呼びます。

 アナフィラキシーは発症が非常に急激で、起因物質の摂取後5~10分程度で症状が始まることが多いですが、もっと早くて数十秒以内のこともあり要注意です。症状は、口や唇のしびれ、喉や胸の狭窄感、めまい、動悸、気分不快、腹痛などです。その他、皮膚の紅潮、じんま疹、冷や汗、喘鳴、血圧低下、意識障害、呼吸困難などがあります。これらの症状から、心筋梗塞、不整脈、肺塞栓症、脳血管障害、窒息等との鑑別が必要です。

 治療は一刻を争います。気道確保や酸素吸入を行い、エピネフリンを注射し、血管確保をして点滴静注を行います。続いて副腎皮質ステロイド剤や血圧低下に対する昇圧剤を静注します。気道狭窄症状がある場合には、気管支拡張剤を用い、じんま疹や喉のむくみに対しては、抗ヒスタミン剤を用いることがあります。

 最も大切なのは予防です。今まで薬物でアナフィラキシーを起こしたことがある方は、その薬物を再度使用しないことが重要です。特定の食物の摂取後や、運動後などに軽くてもアレルギー症状を起こした方は原因検索のために医療機関を受診しておきましょう。ハチ毒にアレルギーのある方は、ハチに再度刺されないよう注意して下さい。

 アナフィラキシーが生じた際には、必ず緊急で医療機関を受診して下さい。たとえ症状が一旦改善しても、数時間後に再発することがあるため注意が必要です。また、一度でもアナフィラキシーを経験した方は、再度アナフィラキシーを生じた時のために、自己注射用のエピネフリン製剤(=商品名エピペン)を手元に携帯しておくと良いでしょう。この薬剤を処方された場合は万一の場合にすぐ使用できるように使用方法を良く確認しておきましょう。また、エピペン使用後も、やはりすぐに医療機関を受診して下さい。