石塚利江 医師
「広報せきかわ」2012年7月号より
いつから保育園・幼稚園にいけますか?
~病気が治るということ・病気の隔離する期間について~
子どもの病気の多くは感染症といって、人から人にうつる病気です。
特に熱や咳、鼻水などはほとんどが風邪のウイルスによる感染症です。熱も咳も鼻水も基本的には体からウイルスを追い出すための免疫の反応と思って下さい。体がウイルスと戦っている間、ウイルスはすごい数に増えていますので、鼻水、咳、唾液などから、ウイルスが手や口を介して他の子供さんにうつしてしまうことがよくあります。
病気が治るということは、まずは体が元気になることですが、他の子供達にあまりうつさなくなることも[治る]の中に含まれるのです。
免疫力を高めるためには、保育園などを休んで、安静にしてできるだけ水分や栄養を取ることです。そのためには家庭で看てあげるのが一番です。
感染力の強い病気に関しては、集団のなかでの病気の広がりを最小限にとどめることも、休ませることの目的の一つです。共働きの家庭ではお休みすることは大変ですが、感染を防ぐことは子どもに集団生活をさせる上でのエチケットなのです。伝染する病気でも、感染力が弱かったり感染しても大きな健康被害がないと考えられる場合は、いたずらに出席を停止しないで楽しい園生活ができるように考慮することも大切です。
麻疹・風疹・水痘・おたふくかぜ・ロタウイルス感染症・百日咳などは予防注射で防ぐことができる病気です。防ぐことのできる病気はできるだけ予防注射でふせいであげましょう。
〔登園・登校の目安〕
風邪の熱:解熱後24時間たってから。
鼻水、咳がひどいとき:ぜいぜいがしたり、呼吸が苦しそうなら休ませて下さい
マイコプラズマ感染症:熱が下がり咳も少なくなって、元気になってから
感染性胃腸炎:嘔吐や下痢などの症状が治まって、形のある便になってから。
水いぼ・アタマジラミ:登園停止の必要はありません。