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今田 研生 医師

「広報せきかわ」2011年10月号より

予防接種のスケジュール

 外来診療中にお母さん達から「この子は○○ワクチンの予防注射をしたほうがよいですか?」と質問されることがあります。そもそも予防接種はなぜ必要なのか考えてみましょう。医療の発達により子供の伝染病は少なくなりました。しかし、それらの病原体は今も存在しています。赤ちゃんには生まれ持った免疫がありますが、生後半年くらいで消失します。それ以降は、赤ちゃん自身で免疫をつけなくてはなりません。そのお手伝いをするのが予防接種です。

 予防接種には、「定期接種」と「任意接種」があります。「定期接種」は、一定の年齢になったら受けることが望ましいものです。費用は原則無料です。一方、「任意接種」は受けるか否かを保護者が任意に選択できる予防接種です。費用は全額自己負担です。

 予防接種で難しいのはスケジュールの立て方でしょう。ワクチンの種類によって接種間隔や回数、接種を勧める年齢(対象年齢)が違います。日本で予防接種を受ける場合、不活化ワクチンでは1週間以上、生ワクチンでは4週間以上の間隔をあけることになっています。よって、すべてを受けようと思えばかなりの回数と期間になります。まずは理想の接種年齢を目安に予定を立ててみてください。そして日程が決まっている集団接種を優先して計画します。個別接種に関しては、そこから決められた間隔をあけて組み入れましょう。当日体調が悪くて受けられなければ、スケジュールをまた組み直せばいいのです。決められた接種間隔で受けられない場合は予防接種法に基づかない予防接種となりますが、病気にかかるよりは受けておいたほうが良いでしょう。

 予防接種には個人および社会全体としての感染の防止や万が一病気にかかったとしても軽く済んだり、その合併症を少なくするなどのメリットがあります。しかし、その一方でデメリットがあることも事実です。重篤な副反応が起きたり、受けたにも関わらずその病気になったといった事も報告されています。よって、受けるべきか否か疑問を抱くお母さんも増えているようです。そのため冒頭のような質問も出るのでしょう。確かに、100%安全と言い切ることはできません。しかし、予防接種を受けられないために世界では毎日千人以上の死者が出ていると言われています。それに対して、予防接種で重篤な副反応が生じる確率は100万人に1人くらいという統計があります。これらの数字を見てどう考えるかは人によって違うかもしれません。いずれにしても、それぞれのメリットとデメリットを十分に考慮したうえで受けるか否かをお母さん自身で判断して欲しいと思います。