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石塚 利江 医師

「広報せきかわ」2011年7月号より

マイコプラズマ肺炎について

 マイコプラズマという病原体によっておこる肺炎で、幼児や学童に多くみられます。

 外来で処方されることの多いセフェム系の抗菌薬を飲んでいても治らない場合に疑います。

 主な診断方法:①胸部レントゲン所見はさまざまで診断的なものはありません。②血液検査は初期と回復期の2度の採血でマイコプラズマ抗体が4倍以上に上昇すれば診断できますが、一般外来では困難です。多くの医院ではマイコプラズマIgM迅速抗体検査を用いて診断しているのが現状です。

 診断には限界があります。マイコプラズマIgM抗体(以下IgM抗体)は発病1週間後に陽性になるといわれており初診時の多くは陰性です(早期の確定診断は困難です)。一生の間に繰り返して感染しそのつどIgM抗体が産生されるので、健康な人でも一定の割合でIgM抗体は陽性になります。また一度産生されたIgM抗体は長期間(12から26週間)残存します。

 ですからIgM抗体が陽性の場合でも、今回の急性期感染なのか、既感染なのか、再感染なのか、一回だけのIgM抗体陽性で判断は出来ません。

 合併症:①喘息の既往のある子供では喘息発作がおきることがあります。②まれに重篤の呼吸困難となる劇症化感染もあります。③髄膜炎・中耳炎・発疹・肝炎などを合併することもあります。

 治療:①マイコプラズマに効くマクロライド系の抗菌薬が処方されます。多くの場合、入院しなくても外来で治療できます。②2000年以降は薬剤耐性マイコプラズマが増加しています。発熱が遷延し、4日間から8日間の発熱持続と報告されています。耐性菌感染でもマクロライド系の抗菌薬が第一選択です。

 予防:①マイコプラズマ感染から発病までの潜伏期間は2から3週間で、発病前1週間から発病後10日間くらいまでは感染力がある期間といわれています。10日程度の治療期間が必要と思われます。

 ②学校や保育園は1週間くらい休むことになります。