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今田 研生 医師

「広報せきかわ」2010年10月号より

花火と喘息について

 今年の夏は今までにない程の記録的な猛暑でした。一般に今年のような猛暑の夏は喘息発作は比較的少ないものですが、夏休みになると今までずっと落ち着いていた喘息の子どもが久しぶりに発作を起こすことがあります。その子どもの家族の方に問診 をすると、発作の前夜に手持ち花火で遊んだことがわかる場合があります。

 新潟県には花火好きの人が多いようで、夏には打ち上げ花火の上がるお祭りがたくさんあり、その見物をしたことが喘息発作のきっかけになったと思われる子どももいます。花火の煙による喘息は、その程度に個人差が見られ、硝煙に含まれる化学物質の微粒子に対するアレルギー反応の有無も関与していることが疑われています。 他にも煙を吸う機会があるキャンプファイヤーやバーベキュー等を数日前に楽しんだという話を聞くこともあります。さらには、8月13日夜からの旧盆のころにはお墓参りの時の線香の煙や、帰省で大勢の親戚が集まった際のたばこの煙を吸って喘息発作を起こす子どもも見受けられます。

 このように夏には煙に関係して喘息発作が起きることが少なくありません。喘息の子どもたちは気道が敏感な状態になっているので、刺激の強い微粒子が含まれた花火の煙などを吸い込むと強い咳込みや喘鳴が起きやすいのです。

 喘息の子どもは煙の出るレジャーはできるだけ避けることが望ましいですが、花火のできない夏休みは、それが好きな子どもにとってはとても味気ない寂しいものかもしれません。他の子どもたちがしている花火をサッシを閉めた室内からガラス越しに見るのでは、とても我慢できないでしょう。風向きを考えて常に風上にいるようにし ながら、マスクを着用したりしてできるだけ煙を吸わないようにして花火を楽しむのが現実的な選択かもしれませんが、小児科医としての立場からは、それもあまりお勧めしません。