<江戸川乱歩「目羅博士」>
昭和6年4月 文芸倶楽部に発表された短編の作品。 上野動物園の猿の檻の前で話し掛けてきた不思議な青年は 月光に照らされた不忍池を前にして 世にも不思議な物語を始めます。 その話の中に 目羅博士が出てくるわけですが この博士は 月光の妖術をつかうそうな。 月というのは 鏡のようなもので 目羅博士が首を吊るマネをすると それにつられて 見た人も 首を吊ってしまうのです。 乱歩作品の中では 「押絵と旅する男」や「火星の運河」と同様に 幻想的な作品で とてもファンが多いようです。 春陽文庫・江戸川乱歩文庫(全30巻) 「屋根裏の散歩者」 または 講談社・江戸川乱歩推理文庫 第13巻「盲獣」 に 収録されています。
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