注意・ここに書かれている文章は、私が調べたり美佐島駅や十日町市内で聞いたり教えて頂いた事を元に書いております。誤り等御座いましたら予めご理解の上、トップページよりメールにてお知らせ下されば幸いです。


ホーム側の扉(2000年10月撮影

先ほども書きましたが「ホームへの扉、滅多にあきません。」の意味なのですが、厳密に言えば「普通列車が来る時意外は非常に危険なので開かない」のです。何故危険か?、まずは簡単な地下ホームの説明から・・・

少々解り辛く申し訳ありません。簡単に図解するとこの様になってます。
まず「地上側出入口」ドアは自動ドアになっています。何故かと言うと先ほど言った危険防止の為の他に空気の流れも抑制する為の意味もあります。「地上側出入口」からホーム側へ入ると、少し広めの通路に出ます。

通路に入ると左手にホーム側出入口、正面に案内板と待合室があります。早速ホームに入ろうとするとホーム側のドアが開いてくれません。開かない理由には2つあり1つは「列車が来ていないから」もつ1つは「地上側出入口が開いているから」です。

まず「列車が来ていないから」ですが、ご存知の通り美佐島駅は六日町と十日町の間を繋ぐ約10キロのトンネル「赤倉トンネル」の中にあり、尚且つ特急列車は時速約140キロ前後で、快速列車で時速約110キロで進んで行きます。地上なら目の前を物凄い勢いで通過するだけですが、トンネルではそうは行きません。


トンネルの大きさの差 右線路側 左駅ホーム側
元々ローカル(ディーゼル車)線用に作ったトンネルの為断面積が小さく尚且つ長いトンネルの為列車がトンネルに進入する際は物凄い風圧が発生して、そのまま細い筒の様なトンネルの中を進入していきます。そしてそのまま反対側の出口まで進んでいきます。基本的にはトンネルは隙間が無く出入口は2箇所だけですが、トンネルの中に隙間(ホーム)があると風圧がそこから抜けようとします。ある話によると風速は秒速30mを越える程の風が吹くそうです。そんな所に人間が居たらどうなるでしょうか?・・・もちろんとんでもない事になります。


高速で通過していく681系車輌
仮に風速に耐えられたとしても、逃げ場の無い狭いトンネル内のホームをはくたかが時速140キロオーバーで過ぎて行きます。とてもじゃないですがこんな状況下に人間が居るのは危険すぎます。そこで、停車する列車が接近した時のみ運転士さんが遠隔操作でドアを開けます。そして通過後自動的にドアを再びロックします。

もう1つ「地上側出入口が開いているから」ですが、上記でも述べましたが物凄い風圧がトンネル内を通過していきます。人間を守る為とその風圧を逃がさない為に地上側とホーム側のドア計2つを設けてドアをロックしています。仮にドアが1つで開いた場合その風圧がそのまま地上の駅舎へと抜けて行きます。駅舎は普通の駅と違い普通の建物と同じで密閉されていて空気の抜け口がありません。最悪の場合風圧で建物を破損する恐れもあります。そこでこの様に1つが開いても1つがロックして風圧と人間をコントロールしています。
ではここで、列車が来てドアが開いて閉まるまでの簡単過程です。
列車がやって来る前の状態は通路の表示板が「列車が到着するまで扉は開きません」と表示されどう頑張ってもドアは開きません。
        
そして停車する列車がやってくると運転士がドアを開けるスイッチを入れてドアのロックを解除、ホーム側のドアの「開放表示灯」も点灯し表示板も「電車が到着しましたのでご乗車ください」と表示されます。ホーム側のドアが開きホームに進入できます、しかしホーム側ドアが開いている場合地上側ドアはロックされているのでご注意を。そして列車が出発して暫くすると自動的にホーム側ドアがロックしホームに出られなくなります。

ここで、悪い事を考えた人間が居ました。列車が来た時ホームに入り列車をお見送り。そしてホーム側のドアがロックされ開かなくなり悪い人は「ホームで列車の写真をGET!!」なんて考えてます。もちろんドアは開きません、その時突然放送が入ります。「お客様間もなく特急電車が通過します。ホームの外でお待ちください〜!!」その悪い人はビックリ!!、慌てて出ようとしますがロックされドアは開きません。その時ドアの下にボタンを発見。押してみるとドアのロックが解除されホームの外へ出ることが出来ました。

  
と、この様に対策はちゃんと立てられており常時暗視カメラで監視しています。万が一放送を無視した場合、列車が緊急停車してしまうでしょう。そして何らかの法律により罰せられ、北越急行から損害費用の負担を迫られるでしょう・・・。ほくほく線をこよなく愛する方々は絶対に行わないで下さいね。しかし、ほくほく線にハマった頃の私はそんな特殊な美佐島駅の事情を全く知らず、ただの浮かれた観光客気分でホームでうろついていて、構内放送にて注意されてしまいました。その時のアナウンスは下記から聞く事が出来ます。
                     
    〜美佐島駅ホームにて注意される〜
                                      
余談ですが・・・その1


県道より駅舎を撮影(今は若干違います)
よく「なんでこんな所に駅を作ったんだ」とか「無駄だ」とか地元の方でも無い人があちこちで言われているようです。ではどのような方が主に利用されているのかと言うと地元の方はもちろんですが、駅から少し山間に入った所に宗教関連の施設が有り(その宗教の偉い方が十日町市出身だそうです)、そこの方たちが利用しています。そして、利用しているのではなく駅の清掃などもボランティアで行われているそうです。

余談ですが・・・その2

ほくほく線沿線をエンジョイし過ぎ疲れきった私
駅の地下の待合室は非常にお勧めできません。できれば地上の駅舎の待合室で待つのをお勧めします。待合室はちょっとした地方の公民館の様に畳敷きで、テーブルやお茶セットや暖房設備なども備えられているからです。ほくほく線沿線に出かけた時はこの様にゴロ寝すると疲れもすっきりします。尚当り前の事ですが、使用後はきちんと清掃しましょう!!。

余談ですが・・・その3
何故「地下の待合室は非常にお勧めできません」なのか?、第一に「五月蝿い」からです。列車通過時ドアが閉ざされホームに出られないので安全です。もちろん風圧の影響も殆ど受けません・・・しかし!、ドアから抜けてくる風の音が半端じゃありません。真面目に耳を被いたくなるくらい激烈に五月蝿いです。(くわしくはメインページのおまけ参照)そんな中ゆっくりと待っていられないからです。それと比較的寂しいですし、除湿機の音も結構五月蝿い。

余談ですが・・・その4

ストロボ反射してますね・・・

美佐島駅の地下は非常に湿気があり、常時地下待合室では大きな除湿機が稼動しています。階段が滑りやすいので十分注意してくださいね。転ぶと大変です・・・。
余談ですが・・・その5

早朝5時過ぎ、シャッター下りてます
美佐島駅は十日町市と北越急行とで管理し、維持費なども折半しているそうです。そして、電灯等は深夜切れるように遠隔操作ができるそうです。ちなみに駅舎内にも監視カメラが設置されています。それと、夜間は展示コーナーと休憩室、炊事室は立ち入れない様です。

余談ですが・・・その6

ちょっと華やかな公衆電話コーナー
駅舎内にはその2でも述べた様に「待合室」が在るのと他に、炊事場や男女障害者用トイレ。公衆電話等が設置されています。尚公衆電話はテレカやICカード非対応ですので、小銭のご用意を・・・。                                      

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